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東野圭吾
東野圭吾を模倣し、元首相暗殺事件を題材にしたオリジナル小説『二発目の空白』第五章
第五章 死んだ男との約束 1 約束の時刻まで、あと七分だった。 真壁修司は地下駐車場の柱にもたれ、腕時計を見た。 午前十時五十三分。 四年前と同じ時刻だった。 偶然ではない。 そう思った瞬間、真壁は苦笑した。 この数日間で、偶然という言葉を信用で... -
東野圭吾
東野圭吾を模倣し、元首相暗殺事件を題材にしたオリジナル小説『二発目の空白』第四章
第四章 声の証拠 1 二十本目は、翌朝届いた。 午前七時四十二分。 真壁修司が県警本部に到着して三分後だった。 メールでもない。 宅配便でもない。 机の上に置かれていた。 小さなICレコーダー。 黒い、ごく普通のものだった。 その下に白い紙が一枚。 ... -
東野圭吾
東野圭吾を模倣し、元首相暗殺事件を題材にしたオリジナル小説『二発目の空白』第三章
第三章 十九本目 1 十九本目の映像は、送られてこなかった。 真壁修司はそれを待っていた。 十分。 二十分。 一時間。 だが、何も届かない。 メールの最後に書かれていた一文だけが、モニターに残っている。 《あなたはそこで、安倍元首相本人と話してい... -
東野圭吾
東野圭吾を模倣し、元首相暗殺事件を題材にしたオリジナル小説『二発目の空白』第二章
第二章 十七本目の映像 1 高瀬浩二のパソコンから見つかった映像は、全部で十七本あった。 真壁修司がその事実を知らされたのは、翌朝の七時十二分だった。 ほとんど眠っていなかった。 昨夜、解析室のドアの下から差し込まれた紙は、証拠保全のため鑑識... -
東野圭吾
東野圭吾を模倣し、元首相暗殺事件を題材にしたオリジナル小説『二発目の空白』第一章
第一章 七月八日の音 1 その音を聞いた瞬間、三崎遼一は花火だと思った。 乾いた音だった。 夏祭りで聞く花火とは少し違う。もっと低く、空気そのものを殴りつけたような音だった。 だが、人間というものは、自分の理解できない出来事に遭遇すると、まず... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百四章ー完ー
第百四章 刀影 子替帳を。 どうするか。 最後の見分は。 江戸城ではなく。 再起館で。 行われた。 大広間でも。 評定所でもない。 人が。 飯を食い。 眠り。 怒り。 迷い。 名前を。 選び直してきた場所。 そこへ。 帳... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百三章
第百三章 七日の決定 七日。 短い。 国の形を。 決めるには。 あまりにも。 短い。 だが。 船は。 待たない。 米は。 減る。 水は。 要る。 町は。 動く。 人は。 帰ってくる。 「七日で」 阿部が言った。 「何を」 ... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百二章
第百二章 帰らないという返事 大奥。 昼。 佐吉は。 門の前で。 立ち止まっていた。 二十二年。 妹を。 探した。 死んだと思ったことも。 何度もあった。 生きていると。 信じた夜も。 あった。 そして。 ようやく。 見... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百一章
第百一章 国の声 翌朝。 江戸城。 仮交渉会議。 いつもの顔ぶれに。 新しい者が。 増えていた。 米商人。 大工。 船頭。 寺僧。 帰国者。 海防方。 町方。 そして。 名を。 まだ。 表へ出したくない者。 家定が。 ... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百章
第百章 死者を人へ戻す 「俺は」 「弥市の子だ」 二十二年前。 刑場で。 処刑された男は。 そう叫んだ。 だが。 記録には。 残らなかった。 残ったのは。 別の男の名前。 今。 品川へ。 二十一年ぶりに帰ってきた。 名を伏せた...