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上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百四章ー完ー
第百四章 刀影 子替帳を。 どうするか。 最後の見分は。 江戸城ではなく。 再起館で。 行われた。 大広間でも。 評定所でもない。 人が。 飯を食い。 眠り。 怒り。 迷い。 名前を。 選び直してきた場所。 そこへ。 帳... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百三章
第百三章 七日の決定 七日。 短い。 国の形を。 決めるには。 あまりにも。 短い。 だが。 船は。 待たない。 米は。 減る。 水は。 要る。 町は。 動く。 人は。 帰ってくる。 「七日で」 阿部が言った。 「何を」 ... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百二章
第百二章 帰らないという返事 大奥。 昼。 佐吉は。 門の前で。 立ち止まっていた。 二十二年。 妹を。 探した。 死んだと思ったことも。 何度もあった。 生きていると。 信じた夜も。 あった。 そして。 ようやく。 見... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百一章
第百一章 国の声 翌朝。 江戸城。 仮交渉会議。 いつもの顔ぶれに。 新しい者が。 増えていた。 米商人。 大工。 船頭。 寺僧。 帰国者。 海防方。 町方。 そして。 名を。 まだ。 表へ出したくない者。 家定が。 ... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第百章
第百章 死者を人へ戻す 「俺は」 「弥市の子だ」 二十二年前。 刑場で。 処刑された男は。 そう叫んだ。 だが。 記録には。 残らなかった。 残ったのは。 別の男の名前。 今。 品川へ。 二十一年ぶりに帰ってきた。 名を伏せた... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第九十九章
第九十九章 死んだ名 一番船。 朝。 新之介が。 甲板へ上がると。 竹吉が。 待っていた。 その隣。 一人の男。 四十を。 少し越えている。 身体は大きい。 役名。 大名。 だが。 着ているものは。 粗末な。 異国風の仕... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第九十八章
第九十八章 七歳の宗伯 ――代替受入。 ――御影宗伯。 ――本人年齢。 ――七歳。 清太郎が。 その文字を。 もう一度。 読み上げた。 部屋の中。 誰も。 すぐには。 話さない。 未定の男。 かつて。 御影宗伯。 徳川家斉。 そ... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第九十七章
第九十七章 捨てた者の理由 「御影宗伯」 その名を。 宗太は。 何度も。 口の中で。 転がした。 四十三年前。 長崎。 自分を。 海へ送り出した男。 そう記憶している。 だが。 今。 米利堅側の船にいる男は。 「徳川家斉」を。... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第九十六章
第九十六章 四十三年遅れの返事 小名木川。 夜。 川面には。 月。 細い。 風。 冷たい。 その岸に。 伊三郎はいた。 以前と同じ。 痩せた身体。 片目だけが。 よく見える。 古い笠。 杖。 そして。 川を見ていた。 ... -
上田秀人
上田秀人を模倣し、武士の文化を描いた完全オリナル時代小説『刀影 ―武士の世を斬る者―』第九十五章
第九十五章 誰が捨てたのか ――立会い。 ――御影宗伯。 ――徳川家斉。 その二つの名を。 誰も。 すぐには口にしなかった。 海送り第一号。 十五歳。 生まれ名。 松平左京。 後に。 沢渡玄隆を名乗る男。 その人間を。 海へ送る...